
電験三種は技術系であることから、食いっぱぐれない資格として知られています。そのため電験三種資格を持っていると転職を有利にすることができます。
本記事では電験三種について、資格を持っているとなぜ転職で有利になるのか、転職先や転職後の平均年収についても解説していきます。
これから電験三種資格を取得しようと考えている方はぜひ参考にしてください。
電験三種があれば転職で有利になる

電験三種があれば転職で有利になる理由として、以下の3つが挙げられます。
- 電験三種を持っていないとできない業務があるから
- 試験の合格率が低く、市場価値が上がるから
- 電験三種の需要は今後も高まるから
次からはこれら3つの理由について具体的に解説していきます。
理由1.電験三種を持っていないとできない業務があるから
電験三種が転職で有利になるのは、電験資格取得者を設置しなければならないと電気事業法で定められているからです。
電験三種の正式名称は第三種電気主任技術者であり、電気工事の現場において事業用電気工作物の工事、維持、保安に関する監督を行うのが仕事です。
つまり、電験資格は現場の責任者になるために必要な資格なので、危険を伴う電気工事の現場に必ず設置しなければならないと定められているのです。
そのため商業施設や電力会社など、事業用電気工作物を扱う施設では必ず電験三種有資格者の需要があり、転職で有利なるのです。
理由2.試験の合格率が低いから
電験三種を含め、電験資格は合格率の低い難関資格として知られています。合格率が低いことから有資格者の数も限られており、転職でも有利になるのです。
以下は電験三種試験の直近5年間の合格率です。
- 平成27年度:7.7%
- 平成28年度:8.6%
- 平成29年度:8.1%
- 平成30年度:9.1%
- 令和元年度:9.3%
電験三種は電験資格の中でも最も難易度の低い試験ですが、それでも合格率は10%未満です。
参考までに、電験三種と同じく合格率が10%未満の国家資格には公認会計士や不動産鑑定士、社会保険労務士などがあります。
理由3.電験三種の需要は今後も高まるから
電験三種は電気工事に欠かせない資格であるため、常に一定の需要があります。しかし、電験三種は人材が不足することによって、今後さらに需要が高まっていくことが予想されます。
電験三種の人材不足の原因として、経済産業省は少子化による人手不足と業務ビルの増加を挙げています。
電験三種が不足するとされているのは不安業界で、2045年までに装丁需要1.8万人に対して4千人程度不足すると予想されています。
そのため、電験三種資格を保有している限り、将来的にも転職で困ることはありません。
電験三種があれば未経験でも転職できる

電験三種があれば未経験でも転職することは可能です。では、電験三種があるとなぜ未経験でも転職することができるのでしょうか。
ここからは、電験三種有資格者の未経験での転職事情について解説していきます。
実務経験がある方が転職で有利になる
誤解がないよう最初に説明しておくと、実務経験がある方が転職で有利になるのは間違いありません。
実際に求人を見てみると、経験者のみを応募条件としている会社は多いです。特に、大手企業であるほど経験を重視している場合が多いです。
電験三種は技術系の資格なので、単に知識を知っているだけでなく、現場で実際に知識を使えるかどうかが重視されるのは当然のことです。
しかし、電験三種の有資格者が不足していることに加えて、実務経験を積むことは容易ではないため、未経験可の求人も少なくありません。
近年では未経験可の求人が増えている
少子化による人手不足の影響で、近年では未経験可の求人が増えています。
そのため、もし電験三種としての実務経験がない場合は、未経験可の求人を出している会社に転職することで実務経験を積みましょう。
実務経験を積むことで、より条件の良い大手企業にも転職しやすくなります。
電験三種があれば50代・60代でも転職はできる

50代・60代というと、一般的な職種では転職は難しいとされています。しかし、電験三種の有資格者であれば、50代・60代でも転職することは可能です。
次からは50代・60代の電験三種有資格者の転職事情について解説していきます。
50代・60代でも資格があれば求人は多い
50代・60代であったとしても、電験三種資格があれば求人は多いです。電気主任技術者業界は慢性的に人手不足であるため、50代・60代であったとしても採用したい意欲のある企業は多いのです。
ただ、50代・60代だと実務経験が重視されるので、未経験で転職するのは難しくなります。
50代・60代で転職した場合の仕事内容
電験資格の求人を出している業界は幅広いため、50代・60代であっても様々な業界で働くことができます。
電験三種が活かせる業界として、例えば、発電所、高層ビル、大型商業施設、病院などがあります。
特に、太陽光発電や再生可能エネルギー業界では人材が不足していることから、50代・60代でも実務経験があれば採用されやすいです。
50代・60代で転職する場合の平均年収
50代・60代で転職する場合、平均年収は300〜400万円です。
ただ、50代・60代での働き方は多様で、正社員ではなくアルバイトを選ぶ人も多いです。電験三種でアルバイトとして働く場合、時給は1,600〜2,000円程度です。
50代・60代でさらに年収を増やすために働くのか、定年後のお小遣い稼ぎとして働くのか、目的によって年収は大きく変わってきます。
電験三種の取得後の転職で気を付けるべきこと

電験三種は合格率が7~10%程度の難関資格です。しかし、せっかく資格を取得しても転職で失敗すると、思うような収入を得られないことがあります。
次の2点に注意し、慎重に転職活動を進めてください。
ハローワークではなく、インターネットで求人を探す
ハローワークでも仕事を探すことはできますが、わざわざ足を運ばなくても、スマホやパソコンで簡単に電験三種の資格を活かせる仕事を探せます。
しかも、年収や職場、職種などを入力するだけで自分で探せるので、ハローワークで担当者と話し合う手間も省けます。
たいていの転職サイトは登録料も利用料も無料なので、気軽に活用してみてはいかがでしょうか。
経験がなくてもチャレンジしよう
「ビル管理はしたことがないから…」などと、自分で自分に制限をかけてしまうのではもったいないです。
幅広い経験を積むことで、今後できることも広がります。
もちろん「経験者のみ」と記載されている案件は難しいですが、「経験不問」の案件なら尻込みせずにどんどんチャレンジしてみましょう。
電験三種取得後の主な転職先

電験三種取得後の主な転職先として、以下の3つがあります。
- 建設会社
- 電気設備会社
- ビル管理会社
ここからはそれぞれの転職先について解説していきます。
建設会社
建設会社の仕事には建物の建設だけでなく、建物の電気設備の維持、修繕、工事も含みます。
特に、ビル、工場、病院、官公庁といった大規模な建物内の電気設備の保安、管理の監督を行います。
電気設備会社
ビルや工場、病院、官公庁といった建物では、一般的な企業が所有する建物とは異なり、24時間稼働することが求められます。
電気設備も24時間稼働させる必要があるため、定期的なメンテナンスが必要となります。
上記のような施設で、電気設備の修繕や点検、保守作業の監督を行います。
ビル管理会社
商業用ビルでは管理会社にビルの管理業務を委託しているため、ビル管理会社は電験三種有資格者の求人を募集しています。
ビル内を点検し、電気設備のメンテナンスや修繕を行ったり、電気工事が必要になれば業者の手配をするのが仕事です。
まとめ

電験三種業界は慢性的に人手不足であるため、未経験でも資格さえあれば転職することも可能です。
ただし、年齢が高くなるのに応じて実務経験が求められるので、未経験での転職は若年者の方が有利です。
電験三種の需要は今後も増加することが予想されているため、一度取得すれば一生食いっぱぐれない資格であると言えます。
電験三種資格を持っているのであれば、積極的に転職にチャレンジしてみてください。
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