
電験三種の問題には難解なものが多く含まれているため、しっかりと試験対策を行う必要があります。対策を行う際に使用する参考書で、大きく試験の結果が変わると言っても過言ではありません。
しかし、電験三種の参考書は様々な出版社から販売されているため、どの参考書を選んだらいいのかわからず困っている方も少なくないと思います。
そこで、本記事では電験三種のおすすめの参考書4選と参考書の選び方を紹介していきます。
参考書で勉強する3つのメリットと3つのデメリット

市販の参考書で勉強する場合、予備校などは使わずに独学で学習を進めていくことになります。
参考書で勉強する場合、予備校を使って勉強をするのと比較してどのようなメリットやデメリットがあるのかを解説していきます。
3つのメリット
参考書で勉強するメリットとして以下の3つを上げることができます。
- 費用を安く抑えられる
- 自分のペースで学習できる
- 自分に合った参考書を選べる
ここからは、これら3つのメリットについて具体的に解説していきます。
費用を安く抑えられる
参考書で独学で学習する場合、予備校に比べて格段に費用を安く抑えることができます。
予備校を利用すると、数万円から数十万円の費用がかかってしまいます。しかし、参考書のみで独学するなら、数千円の費用に抑えることができます。
資格の取得にかけられる予算があまりないという人には参考書を使った独学をおすすめできます。
自分のペースで学習できる
参考書を使って学習する場合、予備校とは異なり、自分のペースで学習することができます。
予備校を利用すると、本試験までの学習スケジュールが決められているため、スケジュールに沿ってカリキュラムを消化しなければなりません。
勉強をしていると、じっくり時間をかけて理解したい部分もあれば、難しくないので時間をかけずに終わらせたい部分も出てくるでしょう。
参考書で独学をする場合、時間をかけたいところとそうでないところでメリハリをつけて学習を進めることができます。
自分に合った参考書を選べる
参考書を使って学習をする場合、市販されている多数の参考書の中から自分に合った参考書を選ぶことができます。
予備校の場合、テキストは決められているので、自分で選ぶことはできません。
市販の参考書であれば、レベル別、分野別で選べるほか、図や絵が多いもの、解説がしっかりしているものなど、様々な種類から選ぶことができます。
自分にぴったり合った参考書を選ぶことができるため、学習を効率的に進めることができます。
3つのデメリット
参考書で勉強するデメリットとして以下の3つを上げることができます。
- モチベーションの維持が難しい
- スケジュールの管理が難しい
- 質問をして疑問点を解消できない
ここからは、これら3つのデメリットについて具体的に解説していきます。
モチベーションの維持が難しい
参考書で勉強する場合、モチベーションを維持することが難しくなるのがデメリットです。
電験三種は合格率が10%未満の難関試験であるため、試験勉強は半年以上の長期間継続する必要があります。
特に社会人の方の場合、仕事が終わって疲れた状態で継続して勉強し続けるのは容易なことではありません。
通学するタイプの予備校であれば、自分と同じように頑張って勉強している人たちがいるので、危機感を覚えたり勇気づけられたりして、モチベーションは上がります。
また、予備校で仲間を作ることができれば、勉強について相談することができたり、同じ悩みを共有することができたりすることで、勉強を継続する気力を維持することができるでしょう。
スケジュールの管理が難しい
参考書で独学する場合、試験本番までの時間配分は全て自分で管理しなければならず、スケジュール管理が難しいです。
予備校を利用すれば、カリキュラムを組んでくれるので、試験本番までに必要な勉強の範囲や勉強量を知ることができます。
そのため、予備校のカリキュラムに従って勉強すれば、スケジュールについては自分で考える必要はありません。
質問をして疑問点を解決できない
予備校に通っていない場合、質問ができないので、わからないところや疑問点を解決することができません。
電験三種のような難関試験の場合、理解するのは容易ではなく、疑問点を解決できるかどうかは重要です。
そのため、もし独学でわからないところがあった場合、ネット上の解説サイトや解説動画を見たりしながら、自分で解決していくしかありません。
電験三種の参考書の選び方・選ぶ際のポイント

電験三種の参考書を選ぶときは、以下の3つの基準を参考にして選ぶようにしましょう。
- 4科目一括型と各科目個別型から選ぶ
- 基本がしっかり解説されている参考書を選ぶ
- 自分のレベルにあった参考書を選ぶ
ここからは、これら3つの基準について具体的に解説していきます。
4科目一括型と各科目個別型から自分に必要な方を選ぶ
電験三種の参考書には、4科目全てが収録されている一括型と、各科目が個別に収録されている個別型の2つがあります。
4科目一括型は、4科目が一冊に収録されている分、解説は薄いですが、必要最小限の重要な知識のみが掲載されています。そのためわからないところがあったら調べたい時に向いています。
各科目個別型は、各科目についてしっかりと解説されているので、わからないところがあった時に深く理解したい場合におすすめです。
基本がしっかり解説されている参考書を選ぶ
電験三種では基本的な問題を解けることが重要です。
そのため、応用的な問題や難解な問題ばかりが収録されているものではなく、基本に重点を置いて参考書を選ぶようにしましょう。
自分のレベルにあった参考書を選ぶ
電験三種の教科書には、初心者向けのものもあれば、上級者向けのものもあります。
電験三種を全く勉強したことがない人であれば、まずは入門書を読んで全体を把握してみるといいでしょう。
学習が進むとともに理解できるようになってきたら、上級者向けの参考書を選びましょう。
解説と説明が分かりやすいものを選ぶ
「入門書」といっても、まったく電気についての知識がない人でも理解できるものから、ある程度の素養がないと理解できないものまで千差万別です。
できれば中をご覧になり、レベルが自分に合っているのか確認してください。
また、レベルが自分に合っていたとしても、説明と解説が分かりにくければ意味がありません。
数ページ読んでみて、頭にすっと入っていくように説明されているのかチェックしてみましょう。
参考書での学習に向いている人と向いていない人

電験三種の試験対策をおこなう予備校もありますが、参考書を使って自宅で学ぶこともできます。
参考書での勉強に向いている人と向いていない人の特徴を紹介しますので、勉強方法を選ぶときの参考にしてください。
参考書での学習に向いている人
計画を立てて毎日コツコツと勉強できる方なら、参考書を用いた自宅学習に向いています。
また、急に用事が入ったり体調が悪くなったりして、予定通りに勉強が進まないことがあります。そのようなときでも、「今週はあまり勉強できなかったから、週末は1日に5時間勉強しよう」と、勉強の遅れが多くならないうちにスケジュールを修正できる方なら、約1年もの長い受験期間を乗り切れるでしょう。
それに加え、自分で調べることが苦にならないことも重要なポイントです。分からないことを放置するのではなく、参考書やインターネットを使って調べることで、着実に実力を身につけていくことができます。
参考書での学習に向いていない人
計画を立てて勉強することやこまめにスケジュール調整することが不得意な方、自分で調べることが苦手な方は、参考書を用いた自宅学習にはあまり向きません。
とはいえ、電験三種の資格取得を諦める必要もありません。
予備校やオンライン学習(e-ラーニング)などもあるので、ご自身に合った方法で勉強を始めていきましょう。
電験三種のおすすめ参考書

ここからは電験三種のおすすめ参考書として、以下の4つを紹介していきます。
- 誰でもわかる電験参考書シリーズ
- 電験三種 完全マスターシリーズ
- 電験三種 ニューこれだけシリーズ
- 電験三種 合格一直線シリーズ
ここからはそれぞれの参考書の特色について解説していきます。
誰でもわかる電験参考書
おすすめ度:★★★★☆
誰でもわかる電験参考書シリーズの特徴は、電子書籍であることと、解説が非常に分かりやすいということです。
電子書籍だとタブレットでスマホでどこでも気軽に読むことができるのが便利です。外出中にも勉強したいという人におすすめできます。
また、解説が非常に分かりやすく、タイトルの通り誰でも分かるように記述されています。
そのため文系で電顕の基礎知識が全くない人にもおすすめできます。
この本の口コミ
文系や初心者が電気主任技術者を目指すならまずこれ
文系の方や電気初心者の方が初めに読むならこの本をオススメします。
先生と生徒の対話形式になっており、なぜこうなるかというところを先生がわかりやすく教えてくれます。
勉強するという点では内容が少ないので、本格的に勉強するという方や、電気の知識がある程度ある方はそんなこと知ってるよって思うかもしれません。
ですが、この本は他の参考書では書いてないような、基本的な部分がなぜこうなるかという点を書いてくれているので参考になりました。
かずやん
初心者向けはこのシリーズで決まり
このシリーズの理論が欲しかったのですが、まずは解説がどの程度易しいのか試しに買ってみました。内容としては、用語や公式の解説を会話形式でわかりやすく説明しています。
電験を今すぐとるぞ!っていうより、先々取ろうかな~っていうあまり電気の知識のない人が、まず読んでみると良いと思います。電気はどのように起こるかなど初めて知りました(笑)
また誰でもわかる電験3種 理論も買ったのですが、そちらもなかなかわかりやすく、全くの初心者にはお勧めです。
ぶっちゃけこちらを買わずにそちらから先に購入しても問題ないと思います。
私は最初みんなが欲しかった~理論を購入したのですがそちらで挫折し、追加購入しました。(1次方程式の計算の仕方など数学も易しくフォローされています)
Bob&Charlie
電験三種 完全マスターシリーズ
おすすめ度:★★★★★
完全マスターシリーズは、電験の全参考書の中で最も情報量が多いのが特徴です。
そのため、学習初心者ではなく、上級者におすすめの参考書です。
完全マスターというタイトルの通り、この本を完璧に解けるようになれば合格に十分な知識を身につけることができます。
この本の口コミ
理論の難化に対応
年々、理論科目の難度が上がってゆき、やはり完全マスターくらいのレベルをこなさなければ、と意を決して買いました。本当は「合格一直線」を考えていたけど、あまりのコワモテさにこちらの完全マスターを選びました。実は十年以上も前にこのシリーズの理論を買って持っているのですが、あれ?前より取っ付きやすくなってる?という印象があって再びこれを買ったのですが、十年前のものと内容が大きく変わったわけでもなく、フォントやレイアウトやカラー文字が多少見やすくなった程度です。もちろん例題は大きく入れ替わっています。
たぶんここ数年電験の勉強をしているうちに、自分にとって完全マスターの難解さが薄れてきたものかも知れません。機械、電力、は完全マスターをメインにして去年取得し、今年はなんとか法規を取ったので、これでリーチ。次は完全マスターの理論に賭けます。最近の理論の難化傾向には、もはや完マス以上のレベルではないと通用しないのかも知れませんね。いよいよこれから覚悟を決めてやります。
電験オヤジ
非常に詳しく書かれています
非常に詳しく書かれています。
文科系の方には少し難しいかもしれませんが、高校の数学や物理を復習すれば理解できると思います。練習問題も多く記載されていますが、過去問も併せて勉強すればほぼ合格まちがいないと
思います。
hiro
電験三種 ニューこれだけシリーズ
おすすめ度:★★★★☆
ニューこれだけシリーズは、イラストが豊富で説明もわかりやすいのが特徴です。
電験三種の勉強をしたことがない人や、あまり知識がない人におすすめできます。
問題は基本的なものしか掲載されていないので、学習が進んでくると物足りなくなるかもしれません。
まずはこの参考書で学習を始めて、実力がついてきたら中級者向けの参考書を利用するといいでしょう。
この本の口コミ
Newこれだけシリーズの数学と一緒に使っています
「Newこれだけシリーズこれだけ数学」を買って分かりやすかったので、「これだけ理論」も購入しました。
数学は152ページ、理論は410ページと本著はかなり分厚いですが、問題数は出題傾向に重点を置き必要最低限ですが、要点や詳しい解説のイラストや図の掲載欄が多いため分厚い問題集になったという感じです。
でも、ただの問題集ではなく、要点を読むと参考書。チャレンジ問題は難しいですが、巻末に解答に導くための詳細な解説があります。
まずは、やさしい問題から基礎固めを行って、チャレンジ問題の正解率を上げるようにコツコツと繰り返し解いていこうと思う。本著でつまづいた時、「これだけ数学」をもう一度復習する時に使えるので、両方を上手く使って勉強しようと思います。
光
電験三種 合格一直線シリーズ
おすすめ度:★★★★★
合格一直線シリーズの特徴は、演習問題が豊富に掲載されており、解説が詳細であることです。
インプットを終えて問題演習をしたい中級者におすすめできます。
掲載されている問題の中にはレベルの高いものも混ざっているため、最初のうちは解ける問題から解いていくようにしましょう。
この本の口コミ
しっかり内容がぎっしり、時間をかけて完全理解、電気技術者への水先案内
大判の本に小さい文字と図版がぎっしり、上質紙なので紙厚は薄いがページ数はたっぷりある(すごい情報量)、内容も深い、3〜2種の範囲ではないだろうか、この本を精読して、理解し使いこなせれば電気技術者として自信が持てるのではないか、理解に不可欠な物理、数学も巻末にしっかり掲載されています、著者の良心が凝縮されている、まさしく座右の書だと思う合格を目指す以上本物の技術者にと肝に銘じて1日3時間(先生はされてるそうだ)。
青い影
初学者
要点がまとめられていてとても良い本の思います。
初心者の私には少し難しく感じましたが、これが理解できるようだとかなりのレベルかなと思います。CISMINAMIKAZE
まとめ

電験三種は難関資格ですが、市販の参考書で合格することは可能です。
参考書で勉強する場合は、自分に合った参考書を選ぶことが重要です。もし参考書を選ぶときは、まずは4科目一括型と各科目個別型のどちらを選ぶのか決めましょう。
市販の参考書は初心者向けのものから中級者向け、上級者向けのものまであるので、自分のレベルにあった参考書を選びましょう。
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