
電験三種を受験する方の中で、予算の都合で予備校に通えず、独学で合格するための勉強方法を知りたい方も少なくないかと思います。
そこで、本記事では、電験三種の勉強を独学でするメリットとデメリットについて紹介した上で、独学での勉強方法について解説していきます。
電験三種に独学で合格を目指している方はぜひ参考にしてください。
電験三種は独学でも十分合格できる

予備校やオンライン学習などでも勉強できますが、実は、電験三種は独学でも十分合格できる試験です。
基礎から応用、新傾向の過去問まで網羅した参考書も数多く出版されていますので、仕事で電気に関わっている方はもちろんのこと、まったく電気関係のことを学んだことがない方も、本だけで合格に必要な学力を修得することができます。
実際に独学で勉強する方も多く、参考書や過去問だけで電験三種合格を手にする方も少なくありません。
独学で勉強するメリットとデメリット

ここからは電験三種を独学で勉強するメリットとデメリットについて解説していきます。独学で勉強しようか予備校を利用しようか迷っている方はぜひ参考にしてください。
メリット
独学で勉強することのメリットは以下の2つです。
- 費用がかからない
- 自分のペースで学習できる
ここからはこれら2つのメリットについて具体的に解説していきます。
費用がかからない
独学のメリットは、予備校を利用するのと比べると費用がかからないことです。
予備校を利用すると数万円から数十万円の費用がかかってしまいますが、独学であれば参考書代の数千円で済みます。
そのため、予算に余裕がない人であれば独学で勉強するのをおすすめできます。
自分のペースで学習できる
独学のメリットとして、自分のペースで学習できることも挙げられます。
予備校を利用するとカリキュラムが組まれ、それに沿って試験当日まで学習を進めていくことになります。
そのため、指定されたカリキュラムを消化しなければならず、自分に合ったペースで学習を進めることはできません。
独学であれば学習する順序や各科目の勉強量などを自分で調節して進めていくことができます。
デメリット
独学で勉強することのデメリットは以下の3つです。
- モチベーションの維持が難しい
- スケジュールの管理が難しい
- 質問ができない
ここからはこれら3つのデメリットについて具体的に解説していきます。
モチベーションの維持が難しい
予備校に通っていれば学習環境が整っているためモチベーションを維持しやすいですが、独学で勉強しているとモチベーションの維持が難しくなります。
電験三種は難関試験であるため、学習期間は半年以上の長期間に渡ります。科目合格制度があるため、数年かけて合格していく人も珍しくありません。
そのため、時間が経つにつれてモチベーションが低下していってしまう可能性があります。
スケジュールの管理が難しい
予備校であればカリキュラムを組んでくれるため、本試験までの学習スケジュールを管理するのは容易です。
しかし、独学であれば学習ペースを自分で考えなければならないため、スケジュールを管理するのが難しくなります。
特に、初学者である場合はどの科目にどのくらい時間をかけたらいいのか判断するのは難しいです。学習ペースがわからず、不完全な状態で本試験に臨むことになってしまう可能性もあります。
質問ができない
予備校であればわからないところがあれば、すぐに講師に質問することができます。しかし、独学の場合、わからないところがあっても自分で解決しなければなりません。
初学者の場合は特に疑問点は多くなるため、疑問点を解決できないと勉強もなかなか先に進みません。そのため、質問できないことにより効率的に勉強することができないというデメリットがあります。
独学で勉強する際の4つのポイント

各科目を勉強する順番
電験三種の各科目を勉強する場合、最初に理論を勉強し、次に電力と機械、最後に法規を勉強するのをおすすめします。
理論は全ての科目の土台となるため、理論の理解があやふやだと、他の科目についてもしっかり理解して学習することができないからです。
法規は暗記科目であるため、早めに勉強してしまうと、試験本番までに忘れてしまいます。そのため、試験本番が近くなったら法規を暗記すると効率がいいです。
電力と機械に関しては順番は重要でないので、理論が終わった後に勉強しましょう。
自分が理解しやすい参考書を選ぶ
たいていの参考書は良書といって間違いないですが、合う合わないがあるため、ある人にとって最高の参考書でも別の人にとっては理解しづらい可能性があります。
誰かに勧められたからといって参考書を買ってしまうのではなく、かならず自分で選ぶようにしてください。
本屋さんで探すのも良いですが、品ぞろえを重視するならネット注文もおすすめです。購入者のレビューをよく読み、自分に合いそうなのか判断しましょう。
問題集や過去問で理解度を確認しながら学習を進める
参考書だけを読んでいても、合格に必要な学力を身につけることは困難です。
かならず問題集や過去問も購入し、自分がどこまで理解しているのかを確認しながら勉強を進めていきましょう。
できれば参考書で1単元進むごとに問題集を開き、細かく習熟度をチェックするようにしてください。
モチベーションとスケジュールの管理を行う
だらだらと参考書を読んでいるだけでは、学習への意欲は落ちてしまいます。モチベーションを保つためにも、計画的に勉強を進めていくことが大切です。
電験三種の試験範囲は広いので、1日に3時間勉強するとしても1年は必要になります。
最後の3ヶ月は復習に時間を充てるようにして、無理なく勉強できるスケジュールを組みましょう。
独学での各科目の勉強方法

ここでは電験三種の独学での各科目の勉強方法について解説していきます。
- 理論の勉強方法
- 電力の勉強方法
- 機械の勉強方法
- 法規の勉強方法
理論は計算問題を重点的に勉強しよう
理論では出題される問題のうち、8割が計算問題、残りの2割が正誤判別問題と穴埋め問題となっています。
計算問題の配点が高いため、計算問題を重点的に勉強していくことが大切です。
理論の計算問題では電磁気、直流回路、トランジスタなど幅広い分野から出題されます。
電力は発電や送電の仕組み、設備の違いなどに注意しよう
電力では火力発電や水力発電などの発電所の出力を求める計算問題や、送配電の問題などが出題されます。
電力では、発電や変電、送配電に関する仕組みや設備の違いについて正確に理解して覚えることが大切です。
理論に比べると計算問題が少なく、計算問題が5割、正誤判別問題と穴埋め問題が5割の配点となっています。
機械は直流機、変圧器、誘導機、同期機を中心に勉強しよう
機械では、直流機や誘導機、同期機といった電動機の問題が出題されます。機械は出題範囲が広いため、覚えることが多い一方、内線で用いられる身近な電気設備が多いのが特徴です。
直流機、変圧器、誘導機、同期機の4分野は試験問題の7割を占めているため、重点的に学習しましょう。
法規は暗記がメイン
法規では、電気事業法、電気工事法、電気設備に関する設置基準などの法令が出題されます。
ほとんどが暗記科目で、穴埋め問題となっていますが、B問題では計算問題も出題されるので注意しましょう。計算問題では、電柱の根入れや架線の強度などが出題されます。
法令で定められた細かい数値を覚える必要があるため、理解するよりも暗記が重要な科目となっています。
独学におすすめの電験三種の参考書

電験三種を独学で勉強するなら、以下の3つの参考書がおすすめです。
- 電験三種 ニューこれだけシリーズ
- 電験三種 やさしく学ぶシリーズ
- 誰でもわかる電験参考書シリーズ
ここからはこれら3つの参考書の特徴について紹介していきます。
電験三種 ニューこれだけシリーズ
おすすめ度:★★★★☆
「電験三種 ニューこれだけシリーズ」は、電験三種の参考書の中では非常に知名度の高い参考書です。
レベルはやや高めで、初学者には向いていませんが、イラストを使ったわかりやすい解説がされています。
基礎知識がある程度ある方や、知名度の高い参考書を使いたいという人にはおすすめです。
この本の口コミ
わかりやすい
初心者でも…。
毎晩読んでます
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電験三種 やさしく学ぶシリーズ
おすすめ度:★★★☆☆
「電験三種 やさしく学ぶシリーズ」は、電験三種の参考書の中では初学者向けです。
解説よりも問題が中心に掲載されており、インプットが終わった後にアウトプットをしたい人におすすめです。
誰でもわかる電験参考書シリーズ
おすすめ度:★★★★★
「誰でもわかる電験参考書シリーズ」は電子書籍であるのが特徴です。
タブレットに入れればカバンの中で嵩張らないため、外出中に勉強したいという人にはおすすめできます。
内容は初学者向けで、特に数学が苦手な人でもわかるように丁寧に基礎が説明されています。
この本の口コミ
分かりやすい
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読み終えての感想
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まとめ

電験三種の独学での勉強方法について解説していきました。
独学での勉強はモチベーションの維持やスケジュールの管理、疑問点の解消など予備校よりも不利になることがあります。
電験三種は合格率が10%未満の難関試験であるため、独学での勉強は容易ではありません。
しかし、現在では様々な種類の参考書が販売されているため、自分に合った参考書を使ってしっかり勉強すれば合格できます。
ぜひ独学で電験三種の合格を目指して頑張ってください。
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