
機械は電験三種の科目の中でも出題範囲が広いので、効率的に学習することが重要です。効率的な学習のためには、出題範囲と頻出分野、出題傾向について知っておく必要があります。
そこで、本記事では電験三種の機械の出題分野と範囲、合格率と合格基準点、出題傾向について紹介した上で機械の学習方法について解説していきます。
電験三種資格に興味のある方や、これから電験三種の機械の学習を始める方はぜひ参考にしてください。
電験三種の機械の概要

電験三種の機械の概要として、以下の3つの事項を紹介していきます。
- 機械の出題分野と範囲
- 知識問題と計算問題が出題される
- 機械の合格率・合格基準点と難易度
ここからはこれら3つの事項について詳しく解説していきます。
機械の出題分野と範囲
機械の出題分野と範囲は以下の通りです。
- 回転機-直流機、誘導機、同期機
- 変圧器-変圧器の基礎、変圧器の応用
- パワーエレクトロニクス-パワー半導体デバイスと電力変換方式、パワー半導体デバイス、電力変換方式
- 電動機応用-はずみ車、エレベータの昇降、ポンプによる揚水、送風機
- 照明-照明器具、照明の計算
- 電熱-電気加熱、ヒートポンプ
- 電気化学-電池、電気分解
- 自動制御-自動制御の種類、ブロック線図、伝達関数
- 情報-論理回路、プログラミング、n関数
機械の出題傾向
機械の各分野の出題率
機械の各分野の年度別出題数と出題率は以下の通りです。
- 平成21年-9問
- 平成22年-8問
- 平成23年-6問
- 平成24年-6問
- 平成25年-7問
- 平成26年-3問
- 平成27年-10問
- 平成28年-7問
- 平成29年-8問
- 平成30年-8問
- 平成21年-2問
- 平成22年-3問
- 平成23年-4問
- 平成24年-2問
- 平成25年-2問
- 平成26年-2問
- 平成27年-2問
- 平成28年-2問
- 平成29年-3問
- 平成30年-3問
- 平成21年-2問
- 平成22年-2問
- 平成23年-4問
- 平成24年-3問
- 平成25年-2問
- 平成26年-2問
- 平成27年-4問
- 平成28年-3問
- 平成29年-4問
- 平成30年-3問
- 平成21年-1問
- 平成22年-1問
- 平成23年-0問
- 平成24年-2問
- 平成25年-1問
- 平成26年-0問
- 平成27年-1問
- 平成28年-1問
- 平成29年-1問
- 平成30年-1問
- 平成21年-1問
- 平成22年-1問
- 平成23年-1問
- 平成24年-1問
- 平成25年-1問
- 平成26年-2問
- 平成27年-1問
- 平成28年-0問
- 平成29年-2問
- 平成30年-1問
- 平成21年-1問
- 平成22年-1問
- 平成23年-1問
- 平成24年-2問
- 平成25年-2問
- 平成26年-1問
- 平成27年-2問
- 平成28年-2問
- 平成29年-1問
- 平成30年-0問
- 平成21年-1問
- 平成22年-0問
- 平成23年-0問
- 平成24年-0問
- 平成25年-1問
- 平成26年-1問
- 平成27年-0問
- 平成28年-1問
- 平成29年-0問
- 平成30年-1問
- 平成21年-1問
- 平成22年-1問
- 平成23年-1問
- 平成24年-1問
- 平成25年-1問
- 平成26年-1問
- 平成27年-2問
- 平成28年-1問
- 平成29年-0問
- 平成30年-3問
- 平成21年-3問
- 平成22年-2問
- 平成23年-3問
- 平成24年-2問
- 平成25年-2問
- 平成26年-2問
- 平成27年-3問
- 平成28年-2問
- 平成29年-2問
- 平成30年-1問
機械の出題頻度の高い分野
機械の各分野の出題率から、回転機の出題率が圧倒的に高いことがわかります。回転機に次いで出題率の高い分野は、変圧器、パワーエレクトロニクス、基本情報となっています。
これら4つの分野で満点を取ると得点率が60%を超えるため、それだけで合格点に達します。
そのため、機械の学習をするときはこれら4つの分野を重点的に学習しましょう。
知識問題と計算問題が出題される
電験三種では、知識問題と計算問題が出題されます。配点は毎年異なりますが、知識問題は30点〜55点、計算問題は45点〜70点となっています。
注意していただきたいのは、機械の知識問題は範囲が非常に広いため、得点するのが難しいということです。
知識問題は5割程度得点できれば良いと割り切り、計算問題でしっかり7〜8割得点することが大切です。
機械の合格率・合格基準点と難易度
機械の合格点は毎年変わりますが、47.23点〜58点の間となっています。目標点は55点ですが、確実に合格したいなら60点を目指しましょう。
機械の合格率は以下のようになっています。
- 平成24年度-7.2%
- 平成25年度-11.1%
- 平成26年度-10.4%
- 平成27年度-6.2%
- 平成28年度-17.0%
- 平成29年度-11.6%
- 平成30年度-13.8%
- 令和元年度-20.1%
年によってばらつきがありますが、合格率20%以下であるため、国家資格の中では難関の部類であると言えます。
参考までに、宅地建物取引士試験の合格率が15〜17%、行政書士試験の合格率が10%前後となっています。
電験三種の機械を学習する際のポイント

電験三種の機械の学習方法として、以下の5つのポイントを紹介していきます。
- 出題頻度の高い分野に絞って学習する
- 動画を見ながら学習する
- 理解しながら暗記する
- 分野別の学習のポイント
- 理論を勉強した後に機械の勉強を始める
出題頻度の高い分野に絞って学習する
これまでも説明してきたように、機械の出題範囲は非常に広いため、出題頻度の高い分野に絞って効率的に学習することが大切です。
出題頻度の高い分野は、回転機、変圧器、基本情報、パワーエレクトロニクスの4分野です。
出題頻度の低い分野は後回しにして、まずはこれら4つの分野で高得点を取れるように重点的に学習していきましょう。
動画を見てイメージを定着させながら学習する
試験では実際に存在する機械が出題されるため、勉強するときは具体的にイメージしながら学習すると効果的です。
テキストだと図やイラストしか掲載されていないため、動画で実際の機械を見ながら学習することをおすすめします。
実際に本物の機械を見ておくと、現在学習しているのがどのような機械のことなのか具体的にイメージできるので、記憶に定着しやすいというメリットがあります。
理解のともなった暗記する
機械の知識を覚えるときは、単に暗記するのではなく理解しながら覚えるようにしましょう。
現在学習しているのが機械のどの部分のことなのか、現在答えを求めている計算問題は機械の何に関することなのか、ということを理解しておくことが大切です。
単なる暗記だけで勉強を続けていても、勉強を進めていくにつれて他の分野との違いがわからなくなり、混乱してしまうからです。
直流機、誘導機、同期機のそれぞれがどのように違いのかなど、機械ごとの違いを理解しながら学習を進めましょう。
機械の分野別の学習のポイント
機械の学習をする上で、以下のように分野別のポイントを頭に入れておきましょう。
- 回転機と変圧器から学習する
- 回転機械と変圧器は等価回路を重点的に学習する
- 基本情報とパワーエレクトロニクスは効率を重視する
ここからは、これら3つの分野別のポイントについて具体的に解説していきます。
回転機と変圧器から学習する
機械の頻出分野は、回転機、変圧器、パワーエレクトロニクス、基本情報です。このうち、回転機と変圧器から最初に勉強するようにしましょう。
パワーエレクトロニクスは難易度が高く、基本情報は範囲が広いので、これらの分野に時間をかけると効率が悪いからです。
回転機と変圧器は等価回路を重点的に学習する
回転機と変圧器を勉強するときは、等価回路を重点的に学習するようにしましょう。等価回路は、難しい電気現象を電気回路で考えるためのものです。
等価回路を覚えることで、問題を見た時に悩む時間を少なくでき、スムーズに問題を解けるようになります。
基本情報とパワーエレクトロニクスは効率を重視する
基本情報は範囲が広いですが、頻出分野は論理回路の真理値表と論理式です。
そのため、基本情報の勉強をするときは、この2つの分野から始めましょう。
論理回路の真理値表と論理式を勉強するときは、論理式と論理回路記号の暗記をすることが重要です。
パワーエレクトロニクスで最も出題率が高いのは単相整流回路の波形・結線図です。単相整流回路の基本動作と回路図をしっかり理解して学習しましょう。
理論を勉強した後に機械の勉強を始める
いきなり機械の勉強をするのは、効率的ではありません。
機械の出題範囲は「理論」の内容に基づいているため、理論を少なくとも一度は勉強してからのほうが機械の学習内容を理解しやすいです。
できれば理論の範囲全体を勉強し、計算問題も一年分くらい解いておおよその感覚をつかんでから、機械の勉強に進みましょう。
機械の学習にオススメの参考書3選
フルカラーで力がつく電験第3種 機械A to Z
おすすめ度:★★★★☆
分かりやすくかみ砕いて説明している参考書。フルカラーの図解付きなので、イメージがつきやすく、電気工事などの経験がない方にも理解しやすいです。初心者にはもちろん、機械に苦手意識がある方にもおすすめ。
この本の口コミ
初学者に最適。フルカラーでとても見やすい
初学者が電験三種を学習するに適している。フルカラーにすることで、学習に取り組むハードルを下げようとする著者の工夫を感じる。基礎から少し奥深いことまで、よくまとまっている。
Katsuo-mirin
これだけ機械(電験第3種ニューこれだけシリーズ 3)
おすすめ度:★★★★☆
簡単な問題をまとめて基礎から分かりやすく説明するページから、チャレンジ問題の詳しい解説までバランスよく配置されています。どの参考書にしようか迷ったときに、おすすめの一冊です。
非常に良い
橋口 満洋
電気主任技術者2種(一次)、3種対策
えくすくるしぼあ
電験三種突破演習 (なるほどナットク!)
おすすめ度:★★★★☆
とにかく問題をたくさん解いておきたいかたにおすすめの問題集です。傾向や分野が偏らないように問題がセレクトされているので、何度も繰り返して勉強すれば苦手分野をなくしていくことができます。
あの有名な
うっきー
問題と解説
Amazonカスタマー
まとめ

電験三種の機械は非常に範囲が広いため、効率的に学習することが大切です。
機械の中でも頻出分野は、回転機、変圧器、基本情報、パワーエレクトロニクスの4分野です。これら4つの分野に絞って効率的に学習し、知識問題ではなく計算問題で得点するようにしましょう。
計算問題で7〜8割を得点できれば、知識問題が5割程度であったとしても合格点に達します。ぜひ機械の合格を目指して頑張ってください。
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