
電験三種の電力は、全科目の中でもイメージがしやすいことから、勉強していてとっつきやすい科目であると言えますが、合格率は10%~15%と低めとなっています。
本記事では電力の特徴や出題分野、範囲、傾向、合格基準点と合格率などを紹介した上で、電力の学習方法について解説していきます。
電験三種の勉強を始めた方や、これから電力の勉強を始めようとしている方はぜひ参考にしてください。
電験三種の電力の概要

電験三種の電力の概要として、以下の5つの項目に分けて紹介していきます。
- 電力の特徴
- 電力の出題分野と範囲
- 電力の出題傾向
- 知識問題と計算問題が出題される
- 電力の合格率・合格基準点と難易度
ここからは、これら5つの項目について詳しく解説していきます。
電力の特徴
電力の特徴は、本試験で基礎的な知識を広く問われるということです。そのため難しい問題を解くのではなく、電力の様々な分野を浅く広く学習していく必要があります。
また、電力は理論や機械とは異なり、計算問題が少なく、正誤問題が多いのが特徴です。
電験三種試験において計算問題は得点源となりますが、電力では計算問題が少ないので安定して得点するのは難しいです。
正誤問題が多いことから、知識を正確に理解することを意識して学習を進めていく必要があります。
電力の出題分野と範囲
電力の出題分野と範囲は以下の通りです。
- 発電-水力発電、汽力発電、その他の発電、発電機の並行運転・速度調定率
- 送配電-送電、地中送電、配電
- 変電-遮断器・断路器、変圧器、調相設備
- 電気材料-磁性材料、絶縁材料、導電材料
電力の出題傾向
電力の各分野の出題率
以下は年度ごとの電力の各分野の出題数と平均です。
- 平成21年-1問
- 平成22年-2問
- 平成23年-1問
- 平成24年-1問
- 平成25年-1問
- 平成26年-3問
- 平成27年-1問
- 平成28年-1問
- 平成29年-2問
- 平成30年-2問
- 平成21年-4問
- 平成22年-2問
- 平成23年-4問
- 平成24年-3問
- 平成25年-2問
- 平成26年-3問
- 平成27年-3問
- 平成28年-3問
- 平成29年-3問
- 平成30年-2問
- 平成21年-2問
- 平成22年-3問
- 平成23年-2問
- 平成24年-2問
- 平成25年-2問
- 平成26年-2問
- 平成27年-1問
- 平成28年-2問
- 平成29年-2問
- 平成30年-1問
- 平成21年-2問
- 平成22年-3問
- 平成23年-3問
- 平成24年-3問
- 平成25年-3問
- 平成26年-2問
- 平成27年-2問
- 平成28年-2問
- 平成29年-3問
- 平成30年-3問
- 平成21年-5問
- 平成22年-4問
- 平成23年-4問
- 平成24年-7問
- 平成25年-3問
- 平成26年-5問
- 平成27年-6問
- 平成28年-6問
- 平成29年-6問
- 平成30年-7問
- 平成21年-3問
- 平成22年-3問
- 平成23年-3問
- 平成24年-0問
- 平成25年-4問
- 平成26年-3問
- 平成27年-3問
- 平成28年-3問
- 平成29年-3問
- 平成30年-2問
- 平成21年-1問
- 平成22年-1問
- 平成23年-1問
- 平成24年-1問
- 平成25年-1問
- 平成26年-1問
- 平成27年-1問
- 平成28年-1問
- 平成29年-1問
- 平成30年-1問
電力の出題頻度の高い分野
電力の各分野を出題頻度の高い順に並べると、以下のようになります。
- 1.送電
- 2.配電
- 3.汽力発電
- 4.原子力・新エネルギー発電
- 5.水力発電
電力の分野の中でも、特に学習しておくべき問題は以下の4つです。
- 送電の電圧降下、送電電力、線路喪失
- 汽力発電の出力電力量、熱効率
- 新エネルギー発電の発電方式の概要
- 電気材料の磁性、絶縁、導電材料
これらの問題は過去10年間で繰り返し出題されているため、重点的に学習しておきましょう。
知識問題と計算問題が出題される
電力では知識問題と計算問題が出題されます。それぞれの配点は毎年異なりますが、知識問題が45点〜65点、計算問題が35点〜55点となっています。
計算問題よりも知識問題の方が配点が高くなっていますが、知識問題は範囲が広いため得点するのは難しいです。
そのため、合格点を取るためには計算問題でしっかりと8〜9割得点する必要があります。
電力の合格率・合格基準点と難易度
電力の年度別合格率は以下の通りです。
- 平成22年度-19.6%
- 平成23年度-11.9%
- 平成24年度-18.4%
- 平成25年度-14.3%
- 平成26年度-13.4%
- 平成27年度-14.4%
- 平成28年度-14.6%
- 平成29年度-15.5%
- 平成30年度-11.6%
- 令和元年度-13.7%
電力の合格率は10%から20%の間であることから、難関であることがわかります。
合格率10%台の国家資格として、宅地建物取引士、行政書士、電気工事士などがあります。
電験三種の電力の勉強をするコツ

電験三種の電力を勉強する際は、以下の4つのコツを意識しましょう。
- まずは全体を一周させる
- 送配電分野の次に発電分野を勉強する
- 得点しやすい分野を重点的に勉強する
- 変電所と送配電分野は計算問題の演習を重視する
ここからは、これら4つの勉強のコツについて具体的に解説していきます。
まずは全体を一周させる
電力は範囲が非常に広い科目であるため、まずは全体を一周させることが大切です。わからないところにこだわっていると、いつまでも試験範囲を終わらせることができません。
たしかに、わからないところがあると、理解できないまま先に進むのは嫌な気持ちになるでしょう。しかし、電験三種の科目は他の科目と関連性が強いため、他の科目を勉強しているうちにわからなかったところが理解できるようになることがあるのです。
わからないところがあっても飛ばして、まずは全体を一周させることで、電力の全体図を頭に入れることが大切です。
送配電分野の次に発電分野を勉強する
送配電分野は最も出題頻度が高いため、最初に勉強すると効率がいいです。しかし、参考書を見ると、送配電分野よりも発電分野の方が最初に掲載されています。
そのため、発電分野を先に勉強する受験生が多いのですが、発電分野は深入りしてしまうと時間がかかってしまう科目です。
発電分野を先に勉強すると効率が悪いため、送配電分野が終わった後に発電分野を勉強するようにしましょう。
得点しやすい分野を重点的に勉強する
電力は範囲が広く、得点しにくいため、得点しやすい分野で確実に点を取ることが重要です。電力で得点しやすい分野は以下の5つです。
- 水力発電の計算問題
- 火力発電の計算問題
- 電気材料の選択問題
- 原子力発電所のエネルギー計算
- 送配電の計算問題
他にも、自分の得意分野がある場合は積極的に得点源にし、試験本番では落とさないようにしましょう。
変電所と送配電分野は計算問題の演習を重視する
変電所と送配電分野は、計算問題の傾向を掴むと得点しやすくなります。まずは電流が運ばれてくる流れや、電気の損失、変圧の仕組みについてしっかり理解しましょう。
その上で過去問を15年分ほど遡って演習していくと、変電所の送配電分野の計算問題の傾向を掴むことができます。
一度傾向を掴むことができれば、本試験で出題される問題を見た時も過去問との共通点を見つけることができ、しっかりと得点することができるでしょう。
電力を学習するのにおすすめの参考書3選
みんなが欲しかった! 電験三種 電力の教科書&問題集
おすすめ度:★★★★☆
今までに電力について学んだことがない方でも、基礎から応用まで一通り勉強することができる参考書。源泉問題集もついているので、どこまで理解したかをチェックしながら勉強を進めていくことができます。
この本の口コミ
平易で図や説明がカラーで分かりやすい
Amazonカスタマー
2019年度の試験を終えて
山根和也
これだけ電力(電験3種Newこれだけシリーズ)
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電力の問題を解くためのポイントや公式を詳しく説明しています。合格するために最低限の力を備えるためにも、ぜひ勉強しておきたい参考書です。
完全マスター電験三種受験テキスト 電力
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よく出題される問題を掘り下げて詳しく解説しているので、確実に得点力につなげられる参考書です。新傾向にも焦点を当て、得点力強化を目指します。
この本の口コミ
良い参考書です
ヨグ
分かりやすい参考書
羊
まとめ

電力は計算問題よりも知識問題の方が配点が高いです。しかし、知識問題は範囲が非常に広いため、得点しにくいという特徴があります。
そのため、電力の勉強をするときは全ての範囲を満遍なく勉強するのではなく、頻出分野や得点しやすい分野に絞って学習することが大切です。
電力を効率的に勉強し、合格を目指して頑張ってください。
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