
第一種電気工事士の筆記試験は第二種と比べて試験の範囲が広く、難易度も高くなっています。合格難易度の高い第一種電気工事士の試験に合格する上で、過去問を上手く利用することが重要になります。
そこで、本記事では過去問の上手な使い方について解説します。
第一種電気工事士の過去問10年分

過去問の使い方をイメージするために、第一種電気工事士の筆記試験の10年分の合格率と、問題と解答をご紹介します。
問題と解答の出典:電気技術者試験センター
過去問の活用方法

過去問を最大限に活用する方法を教えてください。
過去問は解くだけでは不十分です。ここでは、過去問を使用する際のポイントを詳しく解説します。
第一種電気工事士の筆記試験の過去問を活用し、本番の筆記試験を効率よく突破するための方法をご紹介します。
合格に必要な得点率と過去問を見比べて戦略を立てる
第一種電気工事士の試験に合格基準は、難易度によって毎年多少変わりますが約6割以上の得点率で合格となります。
しかし、事前の試験対策・戦略を立てなければ、勉強を積み重ねても得点を伸ばすことは難しいでしょう。
筆記試験に合格するためには、参考書を読むだけでなく過去問を解きながら本番の試験に向けて戦略を立てることが大切です。
時間配分の戦略を立てる
まずは筆記試験の時間配分に関する戦略を立てます。
筆記試験の問題数は50問で、2時間20分の試験時間が与えられるルールです。問題は一般問題と配線図に2種類に分けられていまますが、全てマークシート方式です。
一般問題は、主に電気理論の計算、工具の名称や使い方・作業方法の正誤判定で構成されています。そして配線図は、配線図を見ながら図記号・回路の正誤判定などの問いに回答します。
なるべく得点を最大化できるように、過去問を何度も解いて時間の感覚を掴みましょう。- 電気理論など知識(暗記系):40分
- 計算問題:40分
- 配線図:30分
- 確認と見直し:残り時間
優先して取り組む問題と後回しにする問題を決める
各問題の時間配分だけでなく、優先順位についても予め決めておくことが必要です。
たとえば得意分野が暗記問題・器具や理論に関する正誤判定であれば、先に知識を問う部分から回答していき、最後に計算問題を解くのもありでしょう。
反対に過去問で計算問題や配線図の正答率が高ければ優先的に取り組み、時間内に全て回答できるようにするのも大切です。
得点率を伸ばすためには、余裕をもって取り組めるよう得意分野から先に回答しましょう。先に過去問の問題を解く
試験対策の基本でもありますが、参考書を一通り確認できたら過去問を解きます。
過去問は、電気工事士の試験を実施している一般社団法人電気技術者試験センターもしくは、最寄りの書店で過去問集を購入できます。
過去問を先に解くメリットは、実際の筆記試験の出題傾向や流れなどを早期に把握できることです。参考書を読むことも大切ですが、出題傾向や流れ・特に出題しやすい分野などは過去問を見なければ分かりません。
復習をしっかりと行う
過去問を何度か解いたら、解きっぱなしではなく復習も行います。
復習のポイントは、自分がどの内容・分野に対して間違えやすいのか、ミスの傾向を調べながら確認することです。計算問題や暗記問題、特定の文章題に対してどの程度回答できているのか入念に確認した上で、再度学習・過去問を解きます。
また、復習することで苦手対策できるのはもちろん、どの正答率が高いのか把握できるのでどこから優先的に取り組むか順番を決めることが可能です。
暗記問題と計算問題の対策方法

電気工事士1種の筆記試験の問題は、主に知識を暗記するだけで解ける暗記問題と、自分で計算して答えを出す計算問題に分かれます。それぞれの対策方法をご紹介します。
暗記項目の対策方法
第一種電気工事士の暗記問題は、筆記試験のうち大部分を占めるのでポイントを押さえて学習することが大切です。
暗記項目の対策方法は、過去問を何種類か解きながら例年出題される分野・問題から暗記します。次に例年似たような内容の問題がないか調べて、傾向を掴みます。
ランダムに出題される部分については、予測が難しいので王道でもある出題範囲を全体的に確認・暗記していくのが基本的な対策方法です。
また、やみくもに覚えるより、出題される頻度の高い問題を押さえることが得点率を伸ばすポイントです。目安としては、過去5年間の過去問を解きながら、出題傾向を掴むのがいいでしょう。
計算問題の対策方法
電気工事士1種の筆記試験では、暗記問題だけでなく自分で計算しなければならない計算問題も多く出題されます。計算問題を攻略するための方法をご紹介します。
理解することに重きを置いて勉強する
計算問題は理解して解けることが重要です。正解を導くための考え方や計算のプロセスが重要になります。計算方法や考え方が理解できていれば、数字や配置が異なる本番の問題にも対応できるはずです。
数をこなして傾向を知る
計算問題はできるだけ数をこなして傾向を知ることが大切です。
計算問題の具体的な数字は問題によって異なりますが、正解を導くまでの手順には傾向やパターンがある場合が多く、慣れることで素早く問題を解けるようになります。
計算問題が苦手な方ほど、できるだけ数をこなすのがポイントです。同じようなパターンの問題を繰り返すうちに慣れてきて、苦手と思っていた計算問題も解きやすくなります。
過去に出題された問題の傾向を掴める参考書
第一種電気工事士の試験にパスするためには、過去問の傾向をつかみ、深く分析学習する必要があります。
試験は筆記試験と技能試験の2種類があるので、それぞれの参考書を用意し、勉強しておきましょう。
各試験に対して1冊で網羅できる参考書を紹介します。
第一種電気工事士筆記試験完全マスター
おすすめ度:★★★★☆
最近の傾向を分析し、出題頻度が高い問題を分析・解説している参考書です。現場に行かなくてはわからない内容も丁寧に解説しているので、実務経験が少ない方にもおすすめです。
この本の口コミ
わかりやすい
さやか
俺の教科書
だい
第一種電気工事士技能試験 公表問題の合格解答
おすすめ度:★★★★☆
技能試験の勉強をすべて網羅するように構成されているので、これ1冊で技能試験の準備ができます。また、細かな部分も確認できるように大きな写真が使われており、試験の時に迷わないように工夫されています。
この本の口コミ
写真も大きくて見やすいし、施工手順や欠陥の判断基準も分かりやすく解説
光
詳しく解説されています
T.K
過去問を最大限に利用しよう

第一種電気工事士の試験は、過去問と似た問題が多く出題されます。
過去問をうまく利用し、活用すれば試験の合格もかなり近づくはずです。ぜひ、過去問を活用して資格を試験を突破してください。
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