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作成日 2020/2/10

電気のスペシャリスト「電験」とはどんな資格?種類や活用法を解説

    電験は電気主任技術者の略称で、現場管理の仕事を行うためには必要な資格です。

    しかし、具体的な資格取得のメリットや実際の業務内容が分からない方もいるかと思います。

    本記事では電気工事関係のスペシャリスト、電験の取得メリットや資格を活かした仕事内容をはじめ、試験情報についても解説します。

    電験の基本情報


    国家資格「電気主任技術者」の略称

    電験とは電気主任技術者の略称です。また、電験は国家資格として認められています。

    一般的には電験と呼びますが、電験の資格を活かした仕事を求めている求人情報の中には、電気主任技術者と記載している場合もあります。

    電験には一種・二種・三種がある

    電験は、第一種、第二種、第三種の3種類に分けられています。試験難易度は第一種が最も高く、次いで第二種が高く、第三種が最も低くなっています。

    また、保守監督として認められている業務範囲も第一種が最も広く、第二種、第三種になるにつれて、許可されている設備規模が小さいのが特徴です。

    その他の電気関連資格

    電験以外にも電気に関連する資格は多数存在します。

    その他の電気関連資格
    • 第一種電気工事士
    • 第二種電気工事士
    • 一級電気工事施工管理技士
    • 二級電気工事施工管理技士
    • 電気通信工事担任者
    • 電気通信主任技術者

    電験を取得するメリット


    まずは電験を取得するメリットから解説します。電験は、難易度の高い国家資格ですが、資格取得のメリットが大きい資格でもあります。

    現在の仕事での年収アップにつながる

    電験は、電気工事関係で役立つ資格ですが、仮に取得した場合年収アップにもつながります。

    なぜなら資格保有者のみが許可されている、事業用電気工作物(変圧器など)に関する運用保守などの仕事ができるからです。

    また、発電所や変電所などの現場監督責任者は、無資格では作業されていません。

    そのため電験の資格保有者は重宝されますし、資格手当や基本給アップなども期待できます。さらに2019年時点で、日本の終身雇用制度は揺らいでいます。

    電気工事の仕事を今後も続けていくためには、自分のポジションを確立させるという意味でも電験の資格取得がおすすめです。

    就職や転職に有利な武器になる

    電験の資格を取得している方は、就職や転職時にも活用できます。電気工事士など電気関連の資格と電験は、難易度や内容が大きく違います。

    電験で求められる知識は、発電所や変電所の設計や運用方法だけでなく、電気工事関係の法規や電気・電子理論など多岐にわたります。

    また、簡単に取得できる資格ではないため、各工事会社からの資格所有者の需要は非常に高いです。

    資格保有者の希少価値が高く、将来性がある

    資格取得が難しく代わりが効かない

    電験は難関資格ということもあり、資格保有者が少ない状況です。

    また、AIや電子機械の発展が急速に進んでいるものの、電験資格に含まれる知識も活かし現場監督を行う高度なAIが開発される見通しは立っていません。

    このように人材不足でなおかつ代替手段のないというのが電験の現状です。

    将来性がある

    電験の資格所有者は、需要が安定している人材でもあります。少子高齢化が加速している日本ですが、建物の老朽化に伴う建て直しや万博などのイベントに伴う電気工事の需要は一定程度存在します。

    資格所有者の定年退職による資格保有者の減少や、AIにとって代わられる見通しが立っていないことから、今後もニーズが高まっていく資格です。

    独立が可能になる

    電験に合格して電気主任技術者の免状の交付を受けており、なおかつ、必要な機材を保有しているならば、電気管理技術者として独立することができます。

    いずれ独立したいと考えている方にも、電験はおすすめの資格と言えるでしょう。

    ただし、独立する条件として、以下の期間以上の電気工事実務経験が求められます。

    ・第一種電気主任技術者の資格保有者:3年以上
    ・第二種電気主任技術者の資格保有者:4年以上
    ・第三種電気主任技術者の資格保有者:5年以上

    電験所有者の仕事内容

    続いては電験所有者の仕事内容について、分かりやすく解説します。電験は第一種から第三種の3種類存在し、それぞれ許可されている業務範囲が違います。

    電験資格保有者の業務

    電験の正式名称は電気主任技術者です。電気主任技術者は電気工事士と違い、発電所や変電所、ビルなどの現場で設備の保守管理や作業員の管理を行います。

    具体的には電気工作物や関連設備の保守や、作業監督が主な業務です。電気工作物は、電気の需給を行う設備全般を指します。

    ちなみに電気工事士は電気工事を行うための資格で、電気回路や工事方法を軸に知識や技術を習得します。そのため、現場監督責任者としてキャリアアップするためには、電験の資格が必須です。

    第一種、第二種、第三種のそれぞれの業務

    続いては、電験の第一種、第二種、第三種で対応する業務について解説します。それぞれの資格で求められる知識量や業務範囲は違います。

    第一種

    電験第一種は、最も対応業務や知識が広いのが特徴です。また、電験の中では最難関の資格となっています。

    電験第一種では電圧や規模に関わらず、全ての事業用電気工作物および電気工作物に関連する設備の運用、保守管理を行うことができます。

    たとえば電力会社が管理している発電所や変電所の保守管理をはじめ、鉄道会社や高圧電力を取り扱っている企業でも対応できるのが特徴です。

    第二種

    電験の第二種とは、17kV未満の事業用電気工作物や関連する設備の運用、保守管理を行うことができます。

    資格難易度としては、第一種よりも低いですが難関資格であることには変わりません。また、合格率は10%前後という点から、求められる知識や技術の難易度が分かります。

    第二種で対応できる設備管理は、オフィスビルや商業店舗、工場の生産設備や工作機械など幅広いのが特徴です。

    また、保守業務は再生可能エネルギー関連設備や、水道設備保守なども含まれています。

    第三種

    電験第三種は、5kV未満の事業用電気工作物や関連する設備の運用、保守管理などを行うことができます。

    たとえばリサイクルセンター、オフィスビル、病院設備全般の保守管理をはじめ、小規模工場の生産設備管理などに対応可能です。

    ただし出力5000W以上の発電所での業務は許可されていません。そのため第三種取得後は、第一種、第二種取得も目指す必要があります。

    電気主任技術者の業務と電気工事士の業務の違い

    電気関連の仕事へ初めて就いた方や、未経験業種として転職する方の中には電気工事士と電気主任技術者の違いが分かりにくいことでしょう。

    ここからは、電気主任技術者と電気工事士で対応できる業務を分かりやすく解説します。

    電気主任技術者の業務

    電気主任技術者は、事業用電気工作物や関連する設備を保守管理したり、工事したりする場合の保安監督者(現場責任者)です。つまり管理者として、現場を取りまとめる責任があります。

    また、電気工事の作業員としてではなく、現場で事故が発生しないよう安全を維持するために対策を取ったり、設備の運用を行ったりします。

    電気工事士の業務

    電気工事士は、電気工作物や最大電力500kW未満の設備に対して、配線や部品接続、組み立て業務を行います。

    また、第一種と第二種で対応範囲が違い、発電所や変電所など大規模設備で作業を行うためには、第一種電気工事士の取得が必要です。

    電気主任技術者と違い、工事現場の監督業務などはできません。

    電験の種類別特徴


    電験の資格を取得する前に、第一種、第二種、第三種の特徴や難易度を理解しておきましょう。また、難関資格ですので、受験の順番を間違えないことも大切です。

    一種と二種は超難関

    電験の第一種と第二種は、数多く存在する資格の中でも特に難関です。難関の理由は、出題範囲が広いことと内容が高度なためです。

    また、一次試験と二次試験の二回に分かれて受験しなければいけないため、その分出題内容も多岐にわたりますし科目も違います。

    第一種と第二種は難易度の高さから、学習時間は2000時間前後必要と言われています。1日3時間の学習時間とした場合約2年間の準備を行う計算になります。十分に準備して試験に臨む必要があります。

    まずは三種の取得を目指そう

    電験の第三種は第一種や第二種と違い、一次試験のみで出題範囲や難易度も抑えられています。

    一般的な学習時間は1000時間前後と、第一種や第二種の半分の時間で学習できるのが大きなメリットです。また、合格率は30%台と、10%や20%台で推移している第一種、第二種よりも高い数値です。

    これから電験の資格取得を目指している方は、まず電験第三種の資格取得を目指すことをおすすめします。

    電験三種の試験概要


    続いては、電験三種をはじめ、第一種や第二種の試験概要を詳しく解説します。資格取得するためには、難易度や出題科目、勉強方法など各項目を把握しておくことが大切です。

    電験の試験概要

    電験の試験概要ですが、第三種は一次試験のみで4科目出題されます。しかし、第一種と第二種は一次試験と二次試験があり、出題科目6科目という違いがあります。

    受験資格ですが、第一種、第二種、第三種どれも特に制限や条件はありません。そのため、実務経験や関連資格の取得も必要ありません。

    申し込み方法は、一般社団法人電気技術者試験センターの公式サイトもしくは郵送で受験申し込み手続きを行います。

    それでは次の項目で、各試験の概要や勉強方法を具体的にご紹介します。

    電験一種

    電験一種は一次試験、4科目全てに合格すれば二次試験の受験資格が得られます。そして、二次試験の2科目に合格すれば資格取得できます。

    一次試験は法規65分、残り3科目は各90分の試験時間で、8月~9月頃に実施しています。

    一次試験
    • 法規:電気設備関連の法律
    • 機械:モーターやパワーエレクトロニクスなど
    • 電力:送配電や発電所の設計や運転など
    • 理論:電気理論や計算など

    二次試験は電力、管理が120分、機会、制御が60分の試験時間で11月頃に実施しています。

    二次試験
    • 電力、管理:送配電や発電所の設計や運転など
    • 機械、制御:モーターやパワーエレクトロニクスなど

    一次試験はマークシート形式の選択問題ですが、二次試験は記述方式の問題です。そのため各試験で対策方法は変わります。

    難易度や合格点

    電験は満点が毎年変わるため、出題数をよく確認した上で合格率を確認することが大切です。そして電験一種の場合は例年80点が満点のため、合格率6割程度の場合は合格点約48点です。

    難易度は電験の中で最も難しく、合格率10%台という数字を見ても専門性の高い内容ということが分かります。

    受験資格や申し込み方法

    受験資格は特にありません。しかし、科目合格している場合は、その旨を事前に記入することで、翌年度の試験時に合格した科目を免除できます。また、前年度に一次試験を合格している方は、二次試験のみの受験で済みます。

    申し込み方法は、一般社団法人電気技術者試験センターの公式サイトへアクセスします。郵送の場合はPDFファイルを印刷し、必要事項を記入したのちに送付する流れです。また、インターネット経由で申し込む場合は、公式サイト内の申し込みページに必要事項を記入します。

    受験手数料は郵送申し込みが12,800円、インターネット経由は12,400円です。

    勉強方法

    電験第一種の勉強方法は、学習時間や出題範囲を確認した上で、受験日までのスケジュールを作ります。そして、スケジュールから逆算しながら、各科目の勉強時間などを決めて参考書や過去問を活用しながら覚えます。

    一般的に2000時間や3000時間の学習時間が必要とされるため、1回では合格できない可能性も考慮しながら勉強することが大切です。

    また、一部の科目が不合格になっても諦めず、翌年度の試験へ向けてスケジュールを作る柔軟性も求められます。

    参考書や過去問を使った独学が難しい場合は、通信講座の利用もおすすめです。

    電験二種

    電験二種も第一種と同じく、一次試験4科目全てに合格すれば、二次試験の受験資格が得られます。そして、二次試験の2科目に合格すれば資格取得できます。

    試験科目の数は第一種と同じですが、出題範囲や細かな内容が違います。また、一次試験は法規65分、残り3科目は各90分の試験時間で、8月~9月頃に実施しています。

    一次試験
    • 法規:電気設備関連の法律
    • 機械:モーターやパワーエレクトロニクスなど
    • 電力:送配電や発電所の設計や運転など
    • 理論:電気理論や計算など

    二次試験は電力、管理が120分、機会、制御が60分の試験時間で11月頃に実施しています。

    二次試験
    • 電力、管理:送配電や発電所の設計や運転など
    • 機械、制御:モーターやパワーエレクトロニクスなど

    第一種と同じく一次試験はマークシート形式の選択問題で、二次試験は記述方式の問題です。

    難易度や合格点

    第二種は第一種よりも出題範囲が少し狭いものの、難関資格であることには変わりません。また、出題科目も同じですので、基本的に学習時間は第一種と同じく2000時間もしくは3000時間程度です。

    また合格点は、例年一次試験が90点満点中54点、二次試験は180点中108点です。合格率で算出すると、約60%となります。

    受験資格や申し込み方法

    特に受験資格はありません。しかし、第一種と同じく科目合格している場合は、その旨を事前に記入することで、合格した科目を免除できます。また、前年度に一次試験を合格している方は、二次試験のみの受験で済みます。

    申し込み方法も第一種と同じく、郵送とインターネット経由の2種類から選択可能です。さらに受験手数料も同じです。

    勉強方法

    勉強方法についても第一種と同じく、学習時間の計算とスケジュールの作成、そして日々の学習範囲も事前に決めておきます。

    さらに効率よく勉強するために、数学から覚えます。なぜなら、どの科目も数学の知識が必要のためです。

    また、参考書の中には、数学に特化したテキストもあるので、できれば数学と理論など別々に購入することをおすすめします。

    参考書の勉強が一通り完了したら、過去問を解いてみます。そして、間違った問題を中心に何度も解いて復習していきましょう。

    電験三種

    電験三種は第一種や第二種と違い、出題科目が4科目でなおかつ一次試験のみとなっているのが特徴です。数学や理論、機械設備などの知識については、基礎が中心となっています。そのため、電気工事の仕事をしている方や、未経験でも高校レベルの数学や物理などを理解していれば対応できる難易度でもあります。

    一次試験は法規65分、残り3科目は各90分の試験時間で、8月~9月頃に実施しています。

    一次試験
    • 法規:電気設備関連の法律
    • 機械:モーターやパワーエレクトロニクスなど
    • 電力:送配電や発電所の設計や運転など
    • 理論:電気理論や計算など

    全てマークシート形式で出題されます。

    難易度や合格点

    電験三種は、第一種や第二種と比較すると難易度が下げられているものの、各科目を勉強しなければ合格が難しい難関資格です。合格率は例年30%台と低い数値を見ても、計画的に勉強する必要性が分かります。

    各科目100点満点で、60点前後を合格点としています。そのため少なくとも60点以上を目指して、対策を行うことが大切です。

    受験資格や申し込み方法

    電験三種も特に受験資格はありません。しかし、科目合格している場合は、その旨を事前に記入することで、合格した科目を免除できます。

    申し込み方法は第一種、第二種と同じく郵送もしくはインターネット経由から選ぶことが可能です。ただし、受験手数料は郵送申し込み5,200円、インターネット申し込みが4,850円です。

    勉強方法

    電験第三種は出題科目が少ないものの、第一種や第二種と同じくスケジュールの作成と参考書、過去問を用意することが大切です。

    一般的に学習時間は1000時間と考えられています。そのため、1年かけて勉強する場合は1日あたり3~5時間の勉強時間が必要です。

    出題科目のうち理論の内容が多いため、まずは理論科目から勉強することをおすすめします。また、電験には共通点があり、各科目は理論および数学がベースとなっています。

    独学が難しい場合は、第二種や第一種と同じく通信講座も検討してみるのも1つの選択肢です。

    電験取得後に年収をアップさせる方法


    電験を取得した後は、年収を上げる方法についても考えてみます。一般的には3つの方法があるので、今後の人生設計と照らし合わせて検討することをおすすめします。

    実務経験を積む

    既に電気工事関連の会社で働いている場合は、電験の資格を活かして現場監督の経験を積むこと選択肢もあります。

    実務経験を積むことによって評価が上がり、資格手当や基本給アップ、役職を与えられる可能性もあります。現在働いている職場で、電験取得による年収アップの前例があれば、転職より働き続けることをおすすめします。

    転職する

    電験の資格取得後は、転職という選択肢も考えることができます。たとえば、現在働いている会社では給与アップが見込めない事情があったり、電験を活かす業種ではなかったりといった場合です。

    電験の資格保有者を求めている企業は多いので、資格を活かせない状況であれば転職サイトや転職エージェントを利用します。特に転職エージェントは、希望の業種や企業へ交渉や調査を行うので、求人だけでは分からない細かな情報も教えてもらえます。

    独立する

    電験の資格を活かして、電気工事やビル管理などの企業に勤めている方も多いです。しかし、電気工事士の平均年収は300~450万円程度で、勤続年数が長くなり昇進したとしても600万円台が限界であることが一般的です。

    さらに高額な年収を望むならば、個人事業主として独立することも検討してみましょう。

    クライアントの数や仕事量によっても異なりますが、年収1,000万円超を実現している方もいます。

    まとめ


    電験は3種類存在し、どれも合格率10~30%台で推移するほど難関資格です。また、電気工事士と違い、電気理論をはじめとした数学をベースとした内容が多く、暗記だけでは難しい特徴があります。

    その一方で、電気に関わる現場で重要な役割を担うことができるようになります。人材不足でもあるので求められるだけでなく、年収アップも期待できる資格と言えます。

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