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作成日 2020/2/10

電験三種ってどんな試験?概要から取得するメリット、勉強法まで紹介

    電験三種は電気工事士と比べて取得が難しい資格である一方で、非常に需要の高い資格です。

    今回は電験三種の内容が気になる方に向けて、電験三種の取得メリットや特徴、勉強方法などを分かりやすく解説します。

    電験三種の基礎知識

    まず、電験三種がどのような資格なのか、電験三種を活かしてどのような仕事を行うのかを解説します。

    電気に関する高難易度の国家資格

    電験とは電気主任技術者の略称で、非常に難易度の高い資格です。また、国家資格で、合格率は例年30%台で推移しています。

    後半で詳しく解説しますが、電験は電気回路の計算や理論、法規や電気設備関係の仕組みに関する幅広い知識が求められます。

    また数学の知識が必須となっており、計算を解くだけでなく意味を理解しながら公式を使用できなければいけないことも難易度が高い理由の一つです。

    電気主任技術者の業務内容

    電験三種(電気主任技術者)の資格を取得することで許可されている業務は、5kV未満の事業電気工作物の工事や運用、保守点検や保守監督です。

    たとえば電気配線や室内設備の電気工事現場に常駐し、作業内容や設備の安全性、異常がないか点検・確認します。また、巡回点検や書類作成を行うのが特徴です。

    電験三種を取得するメリット

    まずは電験三種を取得するメリットからご紹介します。

    電験三種を取得するメリット
    • 年収アップや上位資格取得を目指せる
    • 応募可能な求人が増え、就職や転職にも有利
    • 独立や開業を目指すことができる
    • 将来性がある

    年収アップや上位資格取得を目指せる

    電験三種の取得は、年収アップや資格手当の付与、上位資格取得へのステップアップが可能といったメリットがあります。

    電験は、第一種、第二種、第三種と3種類に分かれています。そして難易度は第一種が最も高く、次いで第二種、第三種と難易度が低くなっていきます。

    どれも難関資格ですが、第一種は合格率10%台と特に難しいため、第二種や第三種を取得せず受験することは現実的ではありません。

    一方、第三種は基礎的な内容も多いので、電験で必要とされる知識や概要を理解できます。

    また、電験三種は認知度の低さから人材不足となっているのが現状です。そのため需要は高く、基本給アップや資格手当につながります。

    応募可能な求人が増え、就職や転職にも有利

    電気工事関係の求人の中には、電験三種の資格保有を条件にしていることも多く、資格取得者にとっては有利です。

    さらに電験は国家資格で、なおかつ難関資格でもあるため面接時にアピールできます。これから就職活動を始める新卒者だけでなく、転職を考えている方にも大きなメリットです。

    ちなみに電験三種は5kV未満の事業用電気工作物を管理できるので、小規模工場の生産設備管理や、オフィスや店舗の設備管理などの求人があります。

    独立や開業を目指すことができる

    事業用電気工作物(電気設備)がある場所では、工事や保守点検作業などの際に電験を保有している方の管理が必要です。さらに電験は資格保有者が少ないこともあり、常に各企業が人材を求めています。

    このような事情も相まって、電験三種取得後に独立開業を目指すことができます。具体的には、各現場の保守監督として、クライアントと協力しながら管理業務を遂行します。

    ただし、資格取得だけでは独立開業は難しいので、電気工事関係の企業へ就職・転職し、実務経験を積むことが大切です。

    将来性がある

    電験三種は将来性のある資格と言えます。

    電験三種は合格率や認知度が低い一方、オフィスビルや発電所、変電所、商用店舗、事務所、工場などあらゆる建物や設備で必要とされます。今後も一定の需要が期待されるので、将来性の高い資格と考えることができます。

    電気主任技術者と電気工事士の違い

    電験と電気工事士は、電気工事に関係する資格および仕事ですが、許可されている業務や作業内容に大きな違いがあります。そのため、これから始めたい仕事に合わせて、資格取得を考えましょう。

    給与の差

    電気主任技術者と電気工事士の給与は、企業規模や実務経験などで大きく変わります。

    一般的な電気工事士の給与は月25~35万円、年収にすると300~450万円ほどです。もちろん、実務経験が長くなり昇進すると給料は高くなります。

    一方、電気主任技術者は月30~40万円、年収にすると350~500万円ほどです。こちらも実務経験の長さや役職によって給料は変わります。

    なお、いずれの場合も、中小の事業所よりは大企業のほうが給料が高くなります。

    転職・就職における差

    電気工事士と電気主任技術者では、転職や就職にも違いがあります。

    電気工事士は、主に現場作業系の求人で求められる資格です。具体的には、配線工事やエアコン取付工事です。

    一方、電気主任技術者は、オフィスビルや店舗、プラントや発電所などの保守管理に関する求人で求められます。

    そのため、「電気関係の仕事へ就職したい、異業種から電気工事関係へ転職したい」などのように漠然と考えている場合は、もう少し具体的に就職・転職先について検討することが大切です。

    難易度はどれくらい違うのか

    電験の方が、難易度の高い資格です。電験三種は合格率30%台です。一方、電気工事士は以下のような合格率です。

    電気工事士の合格率

    電験三種と電気工事士では難易度に大きな差があります。

    電気工事士は主に電気配線や電気機器の仕組みや名称、取付方法などに関する内容がほとんどですが、電験は電気理論や電圧や抵抗の計算、法律、電気設備の仕組みや制御方法など非常に広い範囲の知識が求められます。

    業務内容の差

    電気工事士と電気主任技術者では、業務内容にも違いがあります。電気工事士は、配線工事や照明やエアコン取付工事、電気機器取付などが主な仕事です。

    一方、電気主任技術者の場合は、設備や現場監督として運用や保守点検を行います。

    電気工事士と電気主任技術者の業務内容の違い
    • 電気工事士:
      エアコンなどの電気機器取付や建物内の配線、修理交換など
    • 電気主任技術者:
      事業用電気工作物の運用や保守、管理、監督業務

    電験三種の試験概要

    ここからは電験三種の資格試験概要について解説します。

    内容は理論・電力・機械・法規の4科目

    電験三種は4科目で構成されています。科目は理論・電力・機械・法規で、それぞれ合格点に達しなければ資格取得できません。

    理論

    電気・電子理論や電気・電子計測といった内容を含んでいます。たとえば、交流回路の仕組みや三相電力、自己誘導起電力など電気回路に関する公式や計算などが出題されます。

    電力

    発電所の仕組みや特徴、発電量の計算、熱力学の基本など、発電・送電設備や電力計算や設計、材料などが出題されます。

    機械

    発電機・電動機・変圧器などの仕組みやパワーエレクトロニクス、電力システムの情報伝達の仕組み、制御に関する計算などが出題されます。

    法規

    電気工事事業法や電気工事士法・電気用品安全法など、7つの法令から出題されます。また、出題範囲が広いといった特徴もあります。

    試験時間は理論・電力・機械が各90分で、法規のみ65分です。

    試験会場や日程

    電験の試験は一般社団法人電気技術者試験センターが実施・管理しています。公式サイトもあり、試験会場や日程も記載しています。

    電験三種の試験日程は毎年8月~9月の間に行われていて、2020年度は9月13日に実施予定です。また、具体的な試験会場は試験日から1ヶ月程前に公式サイトで公開されるため、定期的に確認することをおすすめします。

    ちなみに試験会場は10地区から更に細かく分かれています。

     ・北海道地区
     ・東北地区
     ・関東地区
     ・中部地区
     ・北陸地区
     ・関西地区
     ・中国地区
     ・四国地区
     ・九州地区
     ・沖縄地区

    受験資格や申し込み方法

    電験三種、および第二種・第一種に受験資格はありません。ですので、誰でも受験することができます。

    申し込み方法は、電気技術者試験センターの公式サイトへアクセスし、郵送もしくはインターネットどちらかの方法を選択します。

    郵送の場合は、公式サイトから「受験申込書」のPDFファイルをダウンロード・印刷し、必要事項を記入したのち郵便局へ書類提出と受験手数料を支払います。

    インターネット申し込みの場合は、公式サイトの中で必要事項を記入し、期限までに銀行振り込み・クレジットカード・コンビニ・Pay-easy、いずれかの方法で受験手数料を支払う仕組みです。

    また、受験手数料は郵送申し込みが5,200円、インターネット申し込みが4,850円です。

    合格率と難易度

    電験三種の合格率は7~10%ほどで、決して簡単な資格ではありません。

    たとえば超難関資格といわれる弁理士や行政書士、公認会計士も合格率が7~10%程度なので、分野は異なるとはいえ、電験三種も非常に難易度が高い資格と言えるでしょう

    電験三種の合格率
    • 令和1年度:9.3%
    • 平成30年度:9.1%
    • 平成29年度:8.1%
    • 平成28年度:8.5%
    • 平成27年度:7.7%

    試験の合格基準

    通常は各科目において60点が合格ラインになります。

    ただし、年度によって試験難易度が異なることもあるため、科目間で点数の調整がおこなわれて合格ラインが変わることもあります。

    過去には合格基準が50点や55点に引き下げられたこともあります。

    科目合格制度も利用しよう

    電験三種に合格するためには、理論と電力、機械、法規の4つの科目すべての試験をパスしなくてはなりません。

    しかし、一部の科目の試験だけにパスすると、2年間はその科目の試験が免除される科目合格制度があります。

    4科目すべてを一気に学ぶことが難しい方は、ぜひ科目合格制度を活用して、計画的に合格を目指していきましょう。

    電験三種はこうやって勉強しよう

    電験三種は難関資格ですので、計画的に勉強する必要があります。また、各科目を勉強する順番にもコツがあるので、参考にしてみてください。

    電験三種の科目ごとの勉強方法とコツ

    電験三種に合格するために、4科目の特徴と勉強方法に関するコツを把握しておきましょう。そこで、ここでは勉強の順番と、特に難しい理論科目の勉強のコツ、各科目のポイントについて解説します。

    電験三種の科目ごとの勉強方法とコツ
    • 「理論」「電力・機械」「法規」の順番で勉強する
    • 「理論」では取りこぼしの内容に勉強する
    • 「電力」では発電・変電・送電・配電の違いを明確にする
    • 「機械」では「四機」を完ぺきに抑える
    • 「法規」では計算問題を中心に練習しよう
    • まずは優先順位の高い範囲に絞って勉強を始める

    「理論」「電力・機械」「法規」の順番で勉強する

    電験三種の勉強を行う時は、理論・電力・機械・法規の順場で進めることをおすすめします。理論科目の内容をベースとして他3科目が構成されているからです。

    理論科目を理解していれば、3科目の理解度も高まるという理屈です。また、数学の知識も必須ですので、理論科目と同時に中学・高校数学を復習しておくこともおすすめします。

    「理論」では取りこぼしのないように勉強する

    電験三種で最初に覚えるべき理論科目は、全ての基礎・土台になるので取りこぼしのないよう丁寧に勉強することが大切です。しかし、出題範囲が特に広いため、余裕を持ったスケジュール調整をおすすめします。

    電験三種の理論科目では、電気理論の基礎でもある直流回路・交流回路の電圧・電流・抵抗計算、クーロンの法則や三相交流回路などさまざまな基礎的法則や回路を覚えます。

    計算問題については、たとえばコンデンサの電解の強さや交流回路の各電位差、抵抗によって消費される電力など、さまざまな項目が出題されます。

    また、理論科目の8割前後が計算問題で、応用問題も含まれています。公式を暗記するだけではなく、公式の意味を理解した上で覚えることがポイントです。

    「電力」では発電・変電・送電・配電の違いを明確にする

    理論科目の次は、電力科目の勉強に進みます。こちらの科目では、電気設備の基本でもある発電・変電・送電・配電に関する問題が多いため、違いや定義を理解する必要があります。

    また、発電・変電・送配電の仕組みや設備構造の他、電気設備や各部品の用語まで細かく覚えることがポイントです。

    なぜなら理論科目と比較すると計算問題の割合は少なく、主に設備構造の説明や用語に関する正誤判定や穴埋めがメインのためです。

    計算問題は、たとえばウランや石炭の熱量やリレーの動作時間などが求められます。

    「機械」では「四機」を完璧に抑える

    機械科目では、パワーエレクトロニクス(電力と半導体を組み合わせた技術)や機械、聖書システムに関する正誤判定や穴埋め問題が出題されます。

    特に「四機」とも呼ばれる直流機(DCモーター)・誘導機(交流モーター)・同期機(シンクロナスモーター)・変圧器に関して、仕組みや用語、関連する計算式を理解することがポイントです。例年、機械科目では四機に関する問題が、半数以上を占めています。

    たとえば変圧器の問題では、温度上昇試験(使用時に既定の温度に留まるか正常な状態を測定する試験)の結線方式を、回路図から正しい結線方式を選ぶケースもあります。

    また、直流機の構造や歴史の穴埋め問題もありますし、三相同期電動機の出力に関する計算式の穴埋め問題もあるのが特徴です。

    範囲が非常に広いため、まずは四機の構造や用語の暗記から始めることをおすすめします。

    「法規」では計算問題を中心に練習しよう

    法規とは法律のことで、電気事業法や電気工事士法などの法令から、用語の穴埋め問題や正誤判定として出題されます。

    しかし、勉強する場合は計算問題から対策を始めるのがポイントです。たとえば穴埋め問題の中には、電線の引張強さや直径の計算も含まれていることがあります。

    他には電気設備技術基準に関する解説の一文のうち、誤っている内容を選択する問題もあります。

    単語を覚えるのではなく、計算方法や文章全体を理解しながら覚えることが大切です。

    まずは優先順位の高い範囲に絞って勉強を始める

    電験三種の出題範囲は非常に広いため、何から手を付ければ良いか混乱してしまうこともあります。そのような時は、ここでご紹介したように優先順位の高い科目・範囲に絞って、順番に勉強を始めることがおすすめです。

    また、数学が苦手な方は、電気分野で用いる数学の勉強から始めましょう。電気分野で用いる数学には、回路計算などで用いる三角関数や指数関数・因数分解・ベクトルなどがあります。

    参考書の選び方

    電験三種の勉強を始めようと思っています。参考書を買おうと思うのですが、どのような参考書を選べばよいでしょうか。

    出題範囲を網羅しており、体系的にまとめられている参考書を購入しましょう。

    電験三種に関する参考書や問題集は、多数発行されています。また、理論・電力・機械・法規の4科目に分かれて発行されているため、各科目の参考書を購入します。

    参考書を選ぶ時は、部分的に解説されているようなタイプではなく、出題範囲を全て網羅し・体系的にまとめられているタイプを選ぶことが大切です。そして、全ての科目を読んだあとは問題集へ取り掛かり、問題の傾向や解き方を身に付けます。

    参考書を読んでいるだけでは理解・暗記できないため、早い段階で問題集を解くことがポイントです。また、問題集と参考書では理解できない部分も発生するので、その場合は別途専門書を購入します。

    過去問で試験対策をする

    電験三種の出題内容を理解するためには、参考書を読みながら問題集で解き方を身に付ける必要があります。そして、ある程度解き方を身に付けたあとは、過去問を解いてみることもおすすめです。

    過去問を解くことで出題傾向が分かり、試験対策も立てやすくなります。

    また、電気技術者試験センターでは、電験三種の過去問と解答が公開されていますし、書籍でも販売されています。

    試験の難易度を確認する

    過去問の試験対策を行う場合は、電験三種の試験難易度についても確認することが大切です。

    まずは、どのようなレベルの問題が用意されているのか理解し、試験対策前の理解度とどの程度差があるか分析します。

    インプットした知識が使えるのか確認する

    過去問や問題集で一通り解いてみたあとは、何が間違っていたのか・覚えた知識を正しく活用できているか1つ1つ整理します。

    間違っている問題の反復練習は必ず行い、それに加え、正解した解答についても見直しましょう。

    計算問題では、間違った解釈でも偶然正解する可能性もあります。そのため、計算式や公式の使い方が、適切か確認を徹底することも大切です。

    出題形式や出題傾向を確認する

    過去問を解く時は数をこなすだけではなく、各科目の出題形式や出題傾向も理解することも必要です。

    たとえば理論や機械は計算問題が多く、電力や法規は用語や文章の暗記問題が多い傾向です。しかし、電験は数学がベースとなっている側面もあるため、まずは電気数学や電気回路の計算を進めます。

    理論科目は応用問題も多いので、出題傾向だけでなく公式や法則も理解した上で、計算ができるようになることが大切です。

    まとめ

    電験三種は難易度が高い資格ですが、国家資格で、将来性があり資格手当や年収アップも見込めるメリットの多い資格です。

    就職・転職にも有利な資格ですので、電気関係の仕事へ就きたい方は合格を目指して勉強を始めてみてはいかがでしょうか。

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